
悪質ブローカー排除 10か国と覚書締結へi
技能実習 監理団体
海外の悪質ブローカーは「海外渡航費用」や「保証金」などの名目で技能実習生に不当な金銭を要求する。技能実習生は支払いのために高い賃金を求めて失踪する。失踪した2870人の約半数はブローカーに100万円以上を支払っていた (法務省、17年調べ)。
17年11月に技能実習法が施行され、技能実習生と国内の企業を結ぶ監理団体は許可制となった。悪質ブローカーとつながっている場合は許可が取り消される。
入管法改正 特定技能
改正入管法は19年4月に施行された。深刻な人手不足に対応するため、単純労働を含む業種で外国人労働者を受け入れる。受け入れ企業か、新設の出入国在留管理庁が登録した登録支援機関が、外国人労働者の生活や日本語習得の支援などを行う。
新たに設けられた在留資格「特定技能」では介護や宿泊など人材不足が深刻な14業種を対象にして、一定の技能と日本語能力を持つ外国人に日本での就労を認める。5年間で最大34万人受け入れる。半数は技能実習終了者、残りは海外から新たに呼び寄せる。
新規来日組は海外のブローカー、国内の職業紹介業者を経て企業に採用される。明細書などの資料が海外のブローカーの手元にある場合などは摘発が難しい。
国内の職業安定所を規制
厚労省の労働局が外国人労働者からの相談や職業紹介業者の定期調査を強化する。職業紹介業者が悪質ブローカーとつながっている場合は許可を取り消す。職業安定法に基づく業者の許可制度を運用する。国内の職業紹介業者を取り締まることで間接的に海外の悪質ブローカーの駆逐を図る。
10か国と覚書
日本の他、韓国、台湾でも人手不足が深刻であり、激しい競争を繰り広げる。自国民の日本における就労機会の拡大を目指す近隣の東南アジア諸国が供給元となる。
日本政府は、現地に悪質ブローカーの情報を提供し、摘発を促すため、10か国と覚書を交わす。すでに、フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴルの5カ国と交わした。マレーシア、ベトナム、中国、インドネシア、タイ、ネパールの5か国と調整に入っている。